9月15日、ライフパーク倉敷科学センターにて科学講座「エネルギーって何?」を行いました。 20人の小学生の中・高学年、中学生1名と幅広い年代とその家族が参加しました。
最初に「ニュートンのゆりかご」の鉄球を一つにして力と質量と運動量とエネルギーと仕事の関係を考える実験をしました。
「球が垂れ下がっているのは?」「球を動かすためにはどうすれば?」との問いに「重力がはたらくから」「手で摘まむ」「磁石を使う」「物をぶつける」等の期待した反応がたくさん出ました。
次にブランコを漕ぐ動画を見て、足の振り方を大きくして、次第にブランコの揺れが大きくなって行く様子を確認しました。ブランコに力を加えて状態を変化させた時、仕事をしたと言い、仕事をする能力がエネルギーです。エネルギーの大きさは、力と物体の質量と動いた距離によって決まります。 エネルギーには他に電気エネルギー、光エネルギー、化学エネルギー、熱エネルギーなどがあり、日常生活では用途に応じて次々に変化しますが、エネルギーの総量は変わりません。
この実験は、位置エネルギーと運動エネルギーの変化する様子を見ることができます。
板にレールを貼り付け途中にループを一つ又は五つ作る。レールの高さを変えて鉄球が落ちる様子からエネルギーの変換について考えます。どの高さまで板を持ち上げると(位置エネルギー)鉄球はどんな速さ(運動エネルギー)で落下し到達点に着くでしょうか? ループを五つ付けたら最後の地点まで連続してたどり着けるでしょうか?子供達はテーブル毎に悔しそうな声や喜びの歓声を上げながら何度も実験を繰り返していました。
五つのループの場合も位置エネルギーと運動エネルギーの変換が繰り返されて鉄球が到達点まで動きます。実験の後遊園地のジェットコースターの動画を見ました。ジェットコースターの形態や車列の速さを思い出しながら子供達はエネルギー変換について再確認していました。
後半は最初に使った「ニュートンのゆりかご」で位置エネルギーと運動エネルギーの変換について考えました。
五つの鉄球が同じひもの長さで隙間無く並んでいる。端の鉄球の1つを持ち上げて離すとどうなるか?まず仮説を立てて考える。次に二つの鉄球を上げて離すと、三つの鉄球を上げたらと考えた。前半で学んだエネルギーの変換から子供達が次々と発表して仮説を発表してくれましたが、意外性もあって面白かったようです。
次に永久機関の一例として「水飲み鳥」が動き続けるエネルギー源とその仕組みを考えました。
水飲み鳥は温度差を利用して熱エネルギーを運動エネルギーに変換して仕事を行う装置(おもちゃ)です。これを理解するのは少し難しいですが、やがて理解出来るようになります。
今回は高学年も参加していたので、エネルギーや力はいつどのようにして出来たのか?人類が到達した基本的な考え方をビッグバンのエネルギーから素粒子が生まれ、万有引力、電磁気力、原子核・原子にはたらく二つの力が生まれ、原子核、原子、分子、さらに地球では細胞、多様な生き物の出現へと展開したことを話題にしました。人類は宇宙の5%しか説明できてない。これからの皆さんが残された課題を解明して欲しい。
※講座後「水飲み鳥」の問い合わせがありましたが、ネット通販などで購入できます。